山本浩二 個性的なプロ野球監督

山本浩二選手は1970年代から80年代のプロ野球界で、古葉竹識監督の下、同僚の衣笠祥雄選手とともに広島東洋カープの黄金時代を築いた選手でした。当時、「ミスター赤ヘル」とは山本選手の別名だったのです。打撃では、本塁打王4回をはじめ数多くのタイトルを獲得、守備においては広い守備範囲を誇る強肩のセンターであり、また駿足でも鳴らしました。

このように山本浩二選手は走攻守の全てにおいて傑出しており、きわめて欠点の少ない選手だったのです。古巣広島カープの監督に就任したのは、現役引退後2年を経た1989年でした。5年間で前田智徳や江藤智、緒方孝市など若い野手を試合に登用して育て上げている。また、2001年から再び古巣広島カープで指揮を執り、新井貴浩や嶋重宣、栗原健太等を打線の主力として育てあげました。

指揮官としての山本氏を見ていると、どんな時でも感情を表に出すことなく振る舞い、選手やファンの前に現役時代のイメージとほとんど変わらない姿を見せていたように思います。そしてこの面こそがプロ野球界での個性的監督としての山本浩二氏の存在感ではないかと思います。なぜなら、現役時代に名選手であった人の中には、監督就任後に現役時代とはガラリと変わった姿を見せて人々を戸惑わせる人も少なくないからです。

山本浩二